VWバスとキャンプを始めて、気づけばもう20年近く経ちました。ファミリーキャンプから始まり、ソロキャンプ、デュオキャンプ、そして最近ではバイクキャンプにも手を出し始めた今。振り返ってみると、我が家のキャンプの真ん中には、いつもVWバスがいました。

良いことも、大変だったことも、全部ひっくるめて「うちのキャンプはVWバスと共にあった」と言える気がします。そんなVWバスとのキャンプ遍歴を、ざっくりですが一度まとめておきます。
ファミリーキャンプの相棒としてのVWバス
キャンプを本格的に始めたのは、三男が1歳くらいの頃。よちよち歩きでオムツをしていた時期なので、かなり前の話です。家族構成は妻+子ども(男)3人。とにかくにぎやかで、常に誰かが騒いでいるようなファミリーキャンプのスタートでした。
自分自身は子どもの頃に、親にキャンプへ連れて行ってもらった経験がありました。その楽しかった記憶もあって、「自分の子どもたちともキャンプをしたいな」と思い立ったのがきっかけです。
とはいえ最初の頃は、今のような“整ったキャンプスタイル”とは程遠く、BBQの流れで飲んで、そのままテントで寝るだけ…みたいな、かなりラフなキャンプでした。
巨大ツールームテントと、荷物満載のVWバス
最初に使っていたテントは ogawa のティエラII。今でこそ大型テントも増えてきましたが、当時は大きなツールームテントは希少。ペグ本数も多く、今思い返しても「よくこれを毎回張ってたな…」と思うくらいのサイズ感でした。荷物はいつも満載。テントにタープに、子ども3人分の寝袋や着替え、遊び道具まで、全てをVWバスに積み込んで出発していました。

この頃のVWバスは、完全に「移動手段+荷物運び担当」。でも、どこに行くにもVWバス。子どもたちにとっては「家族で出かける=VWバス」という思い出になっているようで、今でもその頃の話をするとよく覚えています。

もちろん、いい思い出ばかりではなく、山の中で突然エンジンが止まったり、高速道路でパンクしたりと、大変なトラブルも何度かありました。その時は必死ですが、時間が経つと「そんなこともあったよね」と笑って話せる、良いエピソードになっています。

長期休暇はほぼ全部キャンプ。唯一の例外はディズニーランド
長男が中学生になるくらいまでは、GW・夏休み・連休といえば、とにかくキャンプ。テーマパークに行った記憶はほとんどありません。今振り返っても「うち、キャンプばっか行ってたな」と思うくらいです。
そんな中で、家族全員で出かけた数少ない例外がディズニーランド。
長男が中学校へ上がるタイミングでの決行。
VWバスに家族を乗せて、夜中から運転して首都高を抜けていったのをよく覚えています。
子どもたちと奥様は、後ろの席をベッド化してごろ寝モード。自分だけひたすらハンドルを握るスタイル。途中で雨が降ってきて、首都高速でか弱いワイパーをフル稼働させながら、標識が見えにくくて苦戦したのも今では笑い話です。
300km以上、4時間以上かけて走りきったあのディズニートリップは、VWバスでの長距離移動としては最初で最後。あとはもう、長期休暇=キャンプ一択でした。

子どもたちが部活へ。キャンプは自然とソロ化していく
そんなファミリーキャンプ全盛期も、長男が中学生になり、次男・三男と続いていく中で、少しずつ変わっていきます。子どもたちの部活が本格化してくると、週末や連休は試合や練習で予定が埋まっていきました。
奥様も部活の送迎や応援で大忙し。気づけば「家族全員でキャンプに行く」という機会はほとんどなくなり、自然とキャンプはソロ中心になっていきます。
そこで思い切って、VWバスをソロキャンプ仕様に改造しました。後部席をシングルベッド化し、現在の常設ベッドスタイルへ。さらに、キャンプ道具も使いやすいように収納を見直し、「いつでも積み込みなしでキャンプへ行ける」状態を目指しました。

この仕様にしてからは、ちょっと休みが空けばふらっとソロキャンプへ。準備のハードルが下がると、キャンプは一気に身近になります。
VWバス+タープで、“動くリビングルーム”が完成
バスの中で快適に眠れるようになると、キャンプ場でやることは「リビングを作るだけ」になります。
寒くない季節はカーサイドタープを連結して、テーブルとチェア、簡単なキッチンを並べるだけ。それだけでVWバスを中心にした、雰囲気のいいリビングスペースが完成します。



たまに子どもたちが参加するときは、ogawaのステイシーST-IIなどソロテントを追加して、寝床を増設。VWバスはあくまでベースキャンプ、テントがゲストルームという感じです。

寒い時期や、おこもり気分のときは、当時流行っていた鉄骨テントを導入。日本のメーカーではVWバスに連結できるものがなかったので、セカイモンを使って海外から輸入しました。中でストーブを焚けば、真冬でもヌクヌク。これもまた最高でした。


当然、そうなってくると「VW純正テントも欲しいよね」という欲が出てきます。本当は底なしのアーリータイプが理想でしたが、流通もほぼ無く、あっても超高額。さすがに手が出ず、レイト用の純正テントを手に入れて満足することにしました(…と言いつつ、それも十分高額でしたが)。

どんどん快適になるバスキャンプ。「これってキャンプ?」問題
何年もVWバスでキャンプしていると、自然と道具も揃っていきます。いや、揃うどころか「揃いすぎ」の状態に。快適さがどんどん積み上がっていって、ある時ふと気づきました。
最近、家より快適なソロキャンプしてないか?
ベッドはフカフカ、電源(ポタ電)も確保、ストーブや調理器具も充実。外に出ればタープの下に広いリビングキッチン。ここまで来ると、「これ、もはやキャンプというより“動く別荘”では?」という疑問がちらつき始めます。
そこから、少し“原点回帰”したくなってきました。もっと不便を楽しむ方向というか、「最低限の荷物でやるキャンプも、またやりたいな」と。
原点回帰でバイクキャンプへ。まずはスーパーカブから
そんな流れで興味が湧いてきたのが、バイクで行くキャンプ。まずは手持ちの道具の中から「これは使うだろう」というものを厳選して、スーパーカブに積んでキャンプへ行ってみました。
…厳選したはずなのに、結果として大荷物。

「これ、ウイリーするんじゃないか?」と思うくらいの積載量になってしまい、やっぱり“元・バスキャンパーの感覚”はなかなか抜けません。

その後、ウルトラエボ(ハーレー)が復活。積載量は桁違いで、VWバス用に揃えた装備をかなりの量、そのまま積めてしまいます。そこで、バスキャンプで使っていた装備を移し替えてバイクキャンプへ、という流れになりました。


ただ、そこで新たな問題が発生します。バスに積んである道具を、その都度バイクへ積み替えるのが、とにかくめんどくさい。準備のハードルが上がると、出発までが遠くなるのは車もバイクも同じです。
最終的に、「これはもうバイク用キャンプ道具を一式揃えた方が早い」と判断。現在はバイク専用の軽量ギアセットを構築中です。このあたりの話は、また別の記事で詳しく書こうと思っています。

子どもたちが巣立ち、今は夫婦二人のデュオキャンプへ
そんなこんなでソロキャンプを満喫していたのですが、ここ数年で子どもたちも順番に巣立ち、今は家には奥様と二人暮らし。
さすがに休日に自分だけ遊びに行くのもどうかな…ということで、デュオキャンプ生活がスタートしました。ここで導入したのが、ogawaのカーサイドロッジです。

VWバス+ロッジという組み合わせは見た目も雰囲気も最高で、リビングとして使うぶんには文句なし。ただ一つ問題があって、ロッジ内をリビングにしてしまうと、自分の寝る場所がありません。

ogawaのホームページ (入荷待ちのようです(2025年12月現在))
バス内のベッドは、当然のように奥様の寝床に。自分が寝ようとすると、ロッジ内のテーブルやチェアを一旦どかして、コットを置くスペースを作らないといけない。これが、なかなかのひと手間です。
ソロでロッジを使うならスペースに余裕がありますが、デュオだとどうしても動線が重なります。「いっそデュオ専用のテントを買った方が早いんじゃないか」と、今まさに検討中です。
まとめ:VWバスは“家族の時間”を運んでくれた相棒
こうして振り返ってみると、VWバスは単なるキャンプ用の車ではなく、「家族の時間そのもの」を運んでくれた相棒だったなと感じます。
子どもたちが小さかった頃のファミリーキャンプ。
部活が忙しくなってソロキャンプへ移行した時期。
最近の夫婦二人のデュオキャンプ。
その全部に、VWバスの姿がありました。
これからも、ソロキャンプ、デュオキャンプ、バイクキャンプとスタイルはいろいろ変わっていくと思いますが、そのど真ん中には、きっとこれからもVWバスがいるはずです。

まだまだ一緒に走れる。
VWバスと過ごす次の10年、20年も、楽しみにしています。


